ピョンちゃんのお部屋
ウサギってなぁに?
ウサギの歴史
 ウサギさんは学校でもお馴染みの動物で、飼育係をされた経験のあるかたもいらっしゃると思います。フワフワの毛につぶらな瞳、そして、長いお耳がチャームポイントです。ウサギは最近まで「げっ歯目」に分類されていたのですが、現在は「ウサギ目」という独立した分類になっています。ウサギ目は「ウサギ科」と「ナキウサギ科」に分類され、ウサギ科は「アナウサギ属」と「ノウサギ属」に分類されます。そして、いわゆる「飼いウサギ」は、すべてアナウサギ属の「ヨーロッパアナウサギ」から改良されたウサギです。
 ヨーロッパアナウサギは、現在はイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどに住んでいますが、のもともとの生息地はイベリア半島からアフリカ北西部にかけてです。飼いウサギは紀元前にローマ人が食用のためにヨーロッパアナウサギを飼育したのが最初です。中世になると、修道院でウサギを飼うようになり、品種改良によって野生種ではないウサギが誕生、その後、遺伝子学などによって新しい品種のウサギが次々に作られました。次第に食用としてだけではなく、毛皮をとる目的やペットとしての目的で品種が作られるようになり、現在では約150種の品種があります。
 ウサギは入手しやすく、飼いやすく、温厚な性格なので、現在では、小学校や幼稚園で飼育されることが多く、子どもたちにとっては最も親しみのある動物でしょう。この傾向は日本だけではなく、世界的な傾向のようです。
ウサギの体
 つぶらな瞳にフワフワの毛、長い耳、短いしっぽ。ウサギさんはかわいいですねー。思わずだっこしてみたくなります。抱き上げてみるとわかりますが、ウサギの体は暖かいです。それもそのはず、ウサギの体温は38〜39.5度くらい。呼吸数は1分間に35〜65回くらいです。体重は、品種によって1キロ以下のものから5キロ以上あるものまで様々です。
「耳」
 ウサギさんと言えば、ピョコピョコ動く長〜いお耳ですね。ウサギは危険をいち早く察知して逃げるということだけが身を守る方法なのです。そのため、聴覚が非常に発達しています。また、耳には細かい血管がたくさん通っていて、体温を調整することにも役立っています。
「目」
 ウサギさんのつぶらな瞳で見られたら、誰もが「かわいい〜」と思ってしまいますよね。ウサギの目の色にはたくさんのバリエーションがあり、左右で異なる「バイアイ」、ひとつの目に2色ある「パーティアイ」などもあります。
 ウサギの目はお顔の両側にあり、広い範囲を見ることができます。左右合わせた全視野はなんと360度。また、もともと夜行性なので、暗いところでもよく見えています。しかし、ひどい近眼で、視力は0.05くらい。
「鼻」
 ウサギの鼻は非常に敏感で、いろいろな臭いを嗅ぎ分けています。仲間も臭いで嗅ぎ分けます。そのためにいつもヒクヒクさせていて、これもまたウサギのかわいい仕草のひとつです。
「口」
 ウサギの口は「三つ口」といって、上唇が縦にに裂けています。口の中は門歯と臼歯の間に厚い頬粘膜があって、なかなか奥を見ることができません。歯は全部で28本。上顎に2本の大きな門歯があり、その後ろにも小さな門歯があります。ウサギの歯は一生伸び続け、1年で10センチくらい伸びます。
「足」
 ウサギの足には犬や猫のような「パッド」はありません。前足は短く、上手に穴を掘ることができます。後足は大きく頑丈。ジャンプする力が優れています。前足の指は5本ですが、後足の指は4本です。
「骨」
 ウサギの骨は薄く軽くできています。そのためちょっとした衝撃でも骨折しやすいのです。だっこしたりウサギと接する時には、落下などで骨折させないように注意しましょう。
ウサギの習性
 アナウサギは、森や草原、畑などの地下に「ワーレン」と呼ばれるトンネルで繋がった迷路のような巣を作り、仲間と集団で生活します。生まれたばかりの子ウサギは丸裸で、目も見えず耳も聞こえず、自力で動くこともできません。
 ウサギの顎と鼠径部(脚の付け根)には臭腺があり、縄張りの木などに臭いをつけます。また、仲間同士でも臭いをつけあいます。なので、ウサギがあなたにスリスリしてきたら、仲間だと思っている証拠ですね。ウサギは決まった場所にウンチやオシッコをします。しかし、オスはマーキングのため臭いの強い尿をあちこちにすることもあります。
 ウサギはほとんど鳴くことはありませんが、激しい恐怖や痛みを感じると「キーッ」と鳴くこともあります。後足で地面を踏みならすことを「スタンピング」と言いますが、これは危険を感じたり、怒ったりしている時です。警戒している時は耳をピンと立て、後足で立ち上がります。オスは後交尾の後にも奇声を上げたりスタンピングしたりします。
 ウサギのウンチには、黒くて硬い「硬糞」と、濃緑色で柔らかい「軟糞」の2種類があって、ウサギはこの軟糞を食べてしまいます。というか、これは食べなければならないウンチなのです。正確に言うとウンチではなく盲腸の内容物で、一度肛門から出してもう一度食べ直し、必要な栄養素を吸収しているのです。尿は子どもの時は透明ですが、オトナになると白濁しています。また、食べ物によって色が変わります。
 ウサギは一生歯が伸び続けるので、物をよくかじります。走ることは得意ではなく、速度も速くありません。しかし、穴を掘ることが得意ですから、屋外に小屋を作る時は注意が必要でしょう。
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イラスト:山本久美子 いなだゆかり
『ピョンちゃんのお部屋』は、ブルーミントン動物病院と、動物関連情報サイトPetComNetが共同で制作しています。
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