ハムちゃんのお部屋
ハムスターってなぁに?
 ハムちゃんたちって、つぶらなひとみと小さな手足がかわいいですね。ネズミは「イヤァ〜ッ!」って言う人でさえ、ハムちゃんだったらOK! では、ハムちゃんとネズミはどこが違うの? ハムちゃんはげっ歯目(“げっしもく”って読んでね。“げっぱめ”じゃないからね!)ネズミ亜目ネズミ科。ネズミさんと同じなんですねー。実際、そこいらのネズミさんだってよく見ればかわいいお顔なんですよ。
野生のハムスター
 野生のハムスターは乾燥した草原や砂漠に住んでいます。しかし、野生のハムスターは、近年、激減しているそうです。巣穴を掘って土中にもぐり、基本的に単独生活です。夜行性で、昼間は寝て夜に活動します。(そこにいるだれかさんのようですね!)なので、直射日光は苦手。
 ハムスターは草食に近い種子食動物で、門歯は一生伸び続けます。ほお袋があり、エサを詰め込んで巣に持ち帰り、食糧をため込みます。冬は冬眠しますがほとんどの場合は疑似冬眠で、本当の冬眠よりは眠りが浅いものです。疑似冬眠は体力を消耗し、ハムスターにとって負担となるので、ペットのハムちゃんが冬眠してしまわないよう、冬は暖かくしてあげましょうね。 ハムちゃんイラスト(昼間は寝て夜に活動)
ハムスターの歴史
 ハムスターが最初に発見されたのは1839年。その後、1930年にシリアで捕獲された1匹のゴールデンハムスターのメスと12匹の子どもをパレスチナの動物学者がイスラエルに持ち帰り、妊娠期間が非常に短く多産で実験動物として都合がよかったため、その子孫たちが実験動物としてイギリス、アメリカに送られ大量 に増やされました。日本では1939年に実験用として輸入され、ペットとしても飼われるようになりました。
ハムスターの種類
 ハムスターは現在、約20種類が知られていますが、ペットとしてのハムスターの種類は大きく分けて5つ。「ゴールデン」「ジャンガリアン」「キャンベル」「ロボロフスキー」「チャイニーズ」です。ショップなどではロボロフスキーを「ドワーフハムスター」と呼んでいることもありますが、「ドワーフ」とは「小さい」という意味で、小型のハムスターはすべて「ドワーフハムスター」です。ゴールデン以外の4種をすべてドワーフと呼ぶこともあります。
ゴールデンハムスター
 原産地は東ヨーロッパや中近東。茶色と白のブチが基本。体長12〜15センチ、体重80〜120グラムですが、個体差が大きいです。一般 に、オスよりもメスのほうが大きくなり、オスのほうがおっとりさんが多いです。いろいろな毛色、毛質があり、目の色も、黒目、赤目、ブドウ目があります。フワフワした触り心地が魅力です。もともと単独生活者なので、1ケージ1匹で飼いましょう。
ジャンガリアンハムスター
 原産地は中央アジアのカザフスタンやシベリア。原種の毛色は茶色がかったグレーで、背中に黒い線があります。夏毛と冬毛で驚くほど違っていたりします。体長7〜10センチ、体重35〜45グラム。性格がのんびりおっとりなので、ハムスターの中でも最も飼いやすいハムちゃんです。ちょっぴりたれ目なところがキュート。複数飼育ではケンカをすることも。
キャンベルハムスター
 原産地はモンゴルや中国北部。原種の毛色はこげ茶で背中に黒い線があります。ジャンガリアンとよく似ているので、同種だという説もあります。体長8〜11センチ、体重38〜48グラムですが、個体差があることも。耳が大きく、しもぶくれのお顔がかわいいです。被毛もやや長め。やや神経質で臆病なところもありますが、慣れると病みつきになるらしいです。性格がキツイっていわれますが、ホントは怖がりなだけなんです。
ロボロフスキーハムスター
 原産地はロシア。毛色はイエローで、目の上に白い毛が生えています。体長5〜7センチ、体重15〜40グラムとハムスターの中では最小。性格は神経質で臆病、慣れるまでちょっと時間のかかるタイプ。しかも動きが素早いので、脱走しないように注意が必要。触って遊ぶより観賞向きかもしれません。あまりケンカをしないので、複数飼育も可能です。
チャイニーズハムスター
 原産地は中国北西部。原種の毛色は灰色がかった茶色ですが、ブチの個体もいます。体長約8センチ、体重20〜40グラム。1センチくらいのしっぽがあって、ネズミに近い体型をしています。あまり過食はせず、太りにくい体質。すばしっこく木登りもできますから、くれぐれも脱走させないように注意して下さい。クリクリお目目がチャーミング。排泄物の臭いも少ないです。
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ハムスターの体
 ハムスターは手足が短く、全体的にふっくらマルマルしてかわいいですね。クリクリお目目がチャーミング。フワフワの被毛もまた魅力。でも、体が小さい分、ちょっとした衝撃にも弱いのです。寿命はだいたい2〜3年。その間、ハムちゃんが元気でいてくれるよう、ハムちゃんの体のこと、知っておきましょう。
ハムちゃんイラスト(ハムスターの耳は良く聞こえる) 「目」
ハムスターの目は近眼。でも、夜行性なので暗いところも見えています。
「耳」
外敵から身を守るため、聴覚に優れ、とても良く聞こえています。人間には聞こえないような高周波音も聞こえます。コウモリのように超音波を出して、コミニケーションをとることも。土を掘るときにじゃまにならないよう、体にピッタリと寝かせることもできます。
「鼻」
臭覚は非常に敏感。ハムスターは、多くの情報を臭いから得ているのです。なので、ケージに自分の臭いがないと落ち着きません。
「歯」
歯は全部で16本。上下4本ある門歯は生涯伸び続けます。ハムちゃんの歯は鋭く、固い物でもかじってしまいます。
「口」
口の左右にはほお袋があり、食べ物をため込んで巣に運びます。ほお袋がいっぱいになると、顔が2倍くらいに膨らんで見えます。
「足」
前足はエサを持ったり、毛繕いをしたり、土を掘ったり、器用に動きます。親指がほとんどなく、指は4本。後足は指が5本あり、後足だけで立ち上がることができます。ジャンガリアンは足の裏に毛が生えています。
「尾」
ハムスターはネズミの仲間ですが、地上で生活するためしっぽが短いです。なので、高いところが苦手。
「皮脂腺」
ハムスターには分泌液を出す皮脂腺があり、臭いを縄張りにこすりつけてマーキングをします。ゴールデンは背中の両側、他の4種はお腹の真ん中にあり、オスのほうが発達しています。
「生殖器」
ハムスターのオスとメスは、生殖器と肛門との距離で見分けることができます。オスのほうが生殖器と肛門が離れています。オスは体のわりに大きな睾丸を持っていますが、睾丸は体の中にしまうこともできます。
ハムスターの習性
「基本的には夜行性」
地中にトンネルを掘り、夜に活動するハムスターは、聴覚と臭覚が発達しています。視力が弱いので、上から急に手などを出すと、ハムちゃんはびっくりしてしまいますから気をつけましょう。また、直射日光も苦手。日光浴には必ず日陰を作ってね。ハムちゃんは昼間はほとんど眠っていて、1日18時間くらい寝ています。寝ている時には無理に起こさないでね。
「縄張り」
ゴールデンハムスターは1匹づつ縄張りを持っていて、他のハムスターと一緒にすると、激しいケンカになってしまいます。他の4種はペア、または家族単位 で生活するので、相性がいい同種類のハムスター同士であれば、複数飼育が可能です。縄張りには皮脂腺をこすりつけて臭いをつけ、マーキングをします。お部屋の中に出すと、家具にもマーキングします。もちろん、あなたにも(?)。
ハムちゃんイラスト(上から手を出さない)
「冬眠する」
野生のハムスターは、冬、気温が下がってくると、巣穴の中で冬眠してしまいます。冬眠といってもず〜っと寝ているわけではなく、ときどき起きて巣穴にため込んだエサを食べ、また寝る・・を春まで繰り返します。ペットのハムちゃんも気温が12.5度以下になると冬眠してしまうことも。しかし、ペットのハムちゃんが冬眠してしまった場合そのまま死んでしまうこともありますから、冬眠させないよう気温には十分注意が必要です。また、冬場にハムちゃんが丸まって動かなくなってしまったからといって、すぐに死んだと思って埋めたりしないで下さいね。ゆっくりと暖めて、ハムちゃんを起こしてあげましょう。
「トイレ」
ハムスターは巣穴の中の決まった場所にトイレを作る習性があります。この習性を利用してトイレを覚えさせることもできるのですが、小型のハムスターでは難しいこともあります。
「換毛」
ハムスターの被毛は夏毛と冬毛があり、春と秋の2回、ほぼ全身が抜けかわります。野生のハムスターは砂浴びをして被毛の状態を保っているので、砂浴び専用の細かい砂を用意しておくといいかもしれません。
「食糞」
ハムスターもウサギと同じように食糞をします。これは盲腸の内容物を一度肛門から出してもう一度食べ直すことで、必要な栄養素を吸収しているのです。
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イラスト:山本久美子 いなだゆかり
『ハムちゃんのお部屋』は、ブルーミントン動物病院と、動物関連情報サイトPetComNetが共同で制作しています。
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