今回の特集のテーマは「金魚」ですが、金魚だけでなく熱帯魚などの海水魚も含めて、魚を飼うことの醍醐味や気をつけなくちゃいけないことを、有限会社
エル・ウェーブの代表取締役であり、カレーとパスタのカフェ&レストラン「L-WAVE」のオーナーでもある島田潤一郎さんにお話を伺いました。
島田さんは、実はあの「おさかなくん=宮沢正之氏」のお師匠さんでもあり、とにかく、「魚とサンゴのことならこの人に聞け!」というくらい、知る人ぞ知るその道の専門家です。 |
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吉祥寺のカフェ&レストラン「L-WAVE」には大きな水槽がたくさんあって、かわいい魚たちが出迎えてくれます。ここの魚たちにはみんなそれぞれお名前があって、写真でお名前を確かめながら水槽を眺めていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。 |
| ベトナムから海水魚やサンゴを輸入して、問屋さんに卸す仕事です。たくさんの人に魚を見ながらお食事をして欲しいと思い、レストランの経営もしています。 |
| 38年前、江ノ島へ釣に行き「メジナ」という魚を釣り上げました。その時点では海水魚を飼育する設備を何も持ってなかったのですが、金魚の飼育方法と同じやり方で、何とか3ヶ月間飼うことができました。でもそれは、逆に言えば「3ヶ月しか生かしてあげられなかった」ということです。それがとてもかわいそうで、「魚がもっと長生きできるようにするには、どうすればいいんだろう?」と。それから江ノ島水族館や油壺マリンパークなどに問い合わせをしたりして、知識を得ていきました。 |
| 私は魚に縁があったんでしょうね。魚は微妙な動きで言葉を作り出し、それによって会話ができるんです。たとえば、違うエサの袋を魚に2つ見せて「どっちがいい?」と言うと、魚は自分が食べたいエサのほうを、体の動きでちゃんと指し示すことができます。つまり、魚と人間はコミュニケーションがとれるということなんですよ。水質や環境が悪くなってくると、それもちゃんとボディーランゲージで教えてくれますよ! |
そりゃもう、口では言えないほど(笑)。
仕事を始めた当時、ベトナムでは観賞魚を採取する仕事がありませんでした。ベトナムなどの東南アジアもそうですが、世界中の発展途上国では、漁師たちは食べていくために、一度に大量の魚を捕獲できるダイナマイトやシアンを使って漁をせざるを得ないのです。網で捕獲した魚は数枚の鱗がとれてしまうことがあっても、魚自身は健全で、長生きさせることができますが、シアンを使って捕獲した魚は、一見元気そうに見えても、長生きできません。しかも、捕獲される魚はお金になりそうなほんの一部の魚だけで、大半の魚はそのまま放置され、死んでしまいます。シアンを散布された海域のサンゴも死んでしまいます。
そういった環境破壊を避けるため、私はベトナムで、まず現地の漁師ではなく一般人からスタッフを募集し、3ヶ月間「自然の大切さ・薬の怖さ」について講習を受けてもらい、それから海で漁の仕方を教えるという方法をとりました。現在はベトナムに18人の現地スタッフがいます。 |
| サメです。サメは難しいことを考えない。おいしいエサを食べることだけを考えて生きている。おいしいエサを食べるためには、狭い岩の隙間に頭を突っ込み、自分の体を傷つけてでも食べようとする、そういう単純なところがいいですね(笑。 |
| 今、ここの水槽にいるタテジマキンチャクダイの「ターちゃん」です。ターちゃんが最初にやって来た時は、背中にケガをして肉がえぐれ、片目もないという有様でした。死んでもおかしくない状態でしたが、今はこうして元気に泳いでいます。 |
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| ここに来てから3年ですから、おそらく5歳くらいでしょう。 |
| 左目は義眼ですよ。目があるように見えますが、見えてはいません。 |
| 人工的な義眼じゃなくて、魚自らのゼラチン質から形成されて、自然にできるんです。 |
| 時々、他のお店の偵察に行くこともあるのですが、よくもまぁ、そんないいかげんなことが言えるもんだなと驚くことがありますけどね(笑)。これ以上は話せません!! |
海のものを飼うなら海を、川のものを飼うなら川を知ること。頭だけの知識ではなく、体験すること、自然を知ることです。自然が最高の教科書です。
それから、器具に頼らないこと。どんなに立派な器具を揃えても、自分で魚を見てなくちゃダメ。魚のことは魚から教わるものです。魚も飼えば家族の一員です。趣味でコレクションするものとは違うと思います。生まれた稚魚を自分で育てられないなら、卵を産ませないようにしてください。魚は卵を産むのに適した環境がなければ卵を産みません。なので、そういう環境を作らなければいいわけです。 |
| 病気の治療は淡水魚は塩水浴、海水魚は淡水浴が基本。薬は魚を殺すことがありますから、薬については知識の確かな専門店に相談するのがいいと思います。 |
必ず自分の目で見て確かめてください。見てくれのきれいさだけではダメです。お店の人と少し話して知識が有りそうに思えてもすぐには信用できません。なぜなら、知識だけならネットや本だけでも得ることができるからです。
お店に非売品魚の水槽があるかどうかを見てください。売り物じゃない魚を見せる水槽があり、そこに同じ魚がずっと飼われているということは、長期飼育に自信がある証拠。なので、非売品魚の水槽があるお店はそれなりに飼育技術が有ると判断しても良いと思います。
ただ、初心者用の魚ばかりを入れていても、これでは飼育技術のレベルは解りませんがねぇ! ヤッコやチョウチョウウオの種類を飼っていたらまあ安心出来ると思います。「常に状態の良い個体のみを販売しています」と・・・・HPでも最近特に目立つ文面。うんん・・じゃあ状態の悪い個体は何処へ??? 病気やキズ等が皆さんの前で完治して行く段階を見れる方が、そのお店の技術を確認できます。
安売りばかりやっているショップもダメです。安売りするということは、すぐに売ってしまいたい、つまり、魚が長生きしない確率の高いショップなのです。もし、買った魚が3回続けてすぐに死んだら、別のショップに変えましょう。そのショップは管理等に何か問題があるかもしれません。 |
| いざという時のために、行きつけのショップを作り、そこで魚も器具もエサも買うようにして、普段からお付き合いを大切にするようにしておいてください。お店の人との信頼関係を築いておけば、何かあった時には親身になって相談に応じてもらえます。 |
| まず「動物が冒険するのか?」ということを考えると、内容的にも若干の問題があったのかもしれませんね。「ファインディング・ニモ」がアメリカで公開された時、すでに様々な問題が起こっていたので、日本でも「公開差し止めにしたらどうか?」という運動があったようです。しかしやはり公開されて同じような問題が起こってしまいました。 |
| ショップによっては「ニモ」の人気を商売のチャンスと捉えてどんどん売ってしまう。そして、たくさんのカクレクマノミが犠牲になってしまったと思います。ただ、いい面と悪い面があると思うんですよね。初めて飼った魚が「ニモ」で、たとえ最初は失敗して、「かわいそうなことをした」と後悔することになったとしても、それをきっかけに魚に興味を持ってくれたなら、それはそれで良かったと言えるかもしれません。 |
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| 異常気象です。ベトナムでも海の魚に異変が起きています。熱帯魚の海にも微妙な季節の変化があるのですが、そのサイクルが変わってきているようです。日本でもあちこちで深海魚が上がったりしているようですが、深海で何かが起こっているんでしょうか? 何だか怖いですね。 |
| 魚の飼育の技術に関しては、ある一定のレベルに達したと思うので、これからは海の神様に好かれる人間になりたいと思います。みなさん「海は好きですか?」と聞かれれば「好きです」と答えられますが、「では、あなたは海の神様に好かれる人間だと思いますか?」と聞かれたらどうですか?「はい」と答えられるでしょうか? 私は「はい」と答えられるように、自然を大切にしていきたいと思っています。 |
| インタビューをしている途中、魚たちが「レタス」(おやつ)を食べていました。魚がレタス? 不思議ですね。海の中で海藻を食べている魚たちに、何を与えるのが一番いいのか? 様々な試行錯誤の上、レタスが最も適していると判断されたそうです。 |
インタビューの中に出て来た言葉で「長期飼育」という言葉がありましたが、長期飼育とは「自然界での寿命以上の年月飼育する」ということです。3日しか飼えなかったのがたまたま1ヶ月になったとしても、それは長期飼育ではありません。たとえば、カクレクマノミは自然界での寿命は7年程度とされていますから、7年以上は飼育できないと長期飼育にならないわけです。上手に飼えば、水槽には嵐もないし天敵もいませんから、魚たちは寿命の倍くらいは長生きできるんですね。
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魚のこととなると、島田さんのお話は尽きません。途中、少々脱せんしたりしながら、おいしいベトナムコーヒーもいただき、あっという間に時間が過ぎていました。島田さんのお話を伺ってから水槽を見ると、それまでとはまた違った面白さが見えてきます。海は深い、魚の世界も果てしなく深い・・・。
特に私たち日本人は魚とは縁の深い民族です。金魚や鯉や熱帯魚などは、私たちの目を楽しませてくれるだけではなく、家族としてコミュニケーションのとれる仲間です。そして・・・魚はおいしい!(あぁ、どこかで聞いたお話のオオカミくんになった気分・・(笑)。)魚たちに感謝する気持ちを、いつも忘れないでいたいですね。
★有限会社 エル・ウェーブHP→http://www.l-wave.co.jp/ |
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