| ブルーミントン動物病院 |
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| 里親探しは「獣医師広報版」 |
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今回のインタビューは、上野動物園の園長さん、菅谷 博さんです。上野動物園といえばパンダ、パンダといえば上野動物園。でも、実は今年の春には上野動物園からパンダがいなくなるという前代未聞の事態が‥‥(?)。みんなが大好きなトントンやリンリンのこと、聞いてみたいですよね。そして、現在の動物園とは何なのか、私たちは動物園で何を見るべきなのか、お話を伺ってみましょう。 |
| 動物園にお勤めされたのはいつからですか? そのきっかけは? |
| もともと獣医師で、動物愛護に関する仕事をしていました。6年前に多摩動物公園の飼育課長になり、その後、上野動物園の飼育課長になって、去年の4月から園長になりました。 |
| 動物園のお仕事で、一番大変なことはどんなことですか? |
| 生き物を飼っているということです。水やエサはもちろん、電気も切らすことは絶対にできませんし、動物の健康管理も大切です。生まれてくる命もあれば、死んでゆく命もあります。どんな時でも平常心で、命の大切さを感じながら、愛情を持って動物に接する必要があります。 |
| 動物園のお仕事で、一番楽しいことはどんなことですか? |
| やっぱり赤ちゃんの誕生はうれしいですね。今年はコビトカバの赤ちゃんが35年ぶりに生まれたし、ゴリラの赤ちゃんも順調に育っています。 |
| 昨年トントンが亡くなってしまいましたが、何か思い出はありますか? |
| トントンはとても立派な個体でした。上野で生まれたパンダでしたしね。それが私の目の前で亡くなってしまったんです。3日前まで全く元気だったのに、あっという間でした。結局、ガンだったわけですが、大腸の一部に30センチ近い大きな腫瘍があったんです。 |
| 確かに臓器の一部は冷凍保存しています。しかし、たくさんいる動物ならいろいろ研究もできるのでしょうが、パンダは個体数が少ないですからね‥‥、まだまだ技術的には難しいでしょう。将来的には可能性がないとは言えませんが‥‥。 |
| 今年の春、リンリンが繁殖のためにメキシコに貸し出されましたよね。そのメキシコ出張で苦労されたことはありますか? |
| 上野動物園からパンダがいなくなってしまうということですからね、いろんな心配もありました。もちろん、動物園へのお客さんが減ってしまうのではという心配もありましたが、それ以上に環境の変化によるストレスで、リンリンが体調を崩してしまうのではないかということですよね。リンリンは中国語と日本語しか分からないし(?)、メキシコと日本では主食の竹の種類も違うんですから。 |
| メキシコ出張から帰って、リンリンに変わったことはありましたか? |
| エサの竹の種類が違うということもあって、一時は5キロ痩せました。でも、疲れた様子もなく元気でした。言葉がメキシコ訛りになっているようなこともなかったですしね(笑)。環境への順応は思ったより早く、体重も一気に回復したので驚きました。 |
| リンリンの人工繁殖がうまくいったかどうかは、いつ頃わかるんですか? |
| う~ん‥‥、パンダの妊娠診断は困難でよくわからないんですよね。受精しても卵が着床するまでしばらくうろうろしてて‥‥。妊娠期間は120日くらいですから、結果は早くても7月でしょう。しかも、パンダは偽妊娠が多いんです。トントンも巣作りまで始めたので、「今度こそはうまくいった。絶対妊娠している!」と確信して新聞発表までしましたが‥‥、結果はダメでした。 |
| それはわかりません。現状では野生での研究は原産国の中国のみ可能ですが、パンダは単独行動で、しかも高地に生息しており、大変困難なことと思います。パンダに関する研究のほとんどは動物園でのものなんです。 |
| 現在、野生のパンダは何頭くらいいるのですか? また、世界の動物園にパンダは何頭くらいいますか? |
| 自然界では約1000頭、動物園にいるパンダは157頭です。その内、中国以外の国でパンダを所有しているのは、ベルリンにオスが1頭、メキシコにメスが3頭、それに上野動物園のリンリンだけなんです。あとは全てレンタルで、ワシントン動物園のパンダのレンタル料は100万ドルですよ! 約1.2億円! 東京都はお金がないし、とても無理ですね(笑)。 |
| すると、今後、リンリンの新しいお嫁さんの計画はないのですか? |
| 今のところ、難しいですね。リンリンも、もう16歳ですから、なんとかしたいんですが‥‥。メキシコのメス3頭のうち、1頭をこちらに連れて来れないかと考えたりはしています。 |
| 平成3年度から12年度まで、東京都は『ズー2001構想』という事業で、動物園を「楽しみながら自然に関心を持つ場」「希少動物繁殖の場」として整備をしてきました。希少動物に関しては『ズーストック計画』を作り、東京の4つの動物園が協力して繁殖に取り組むことになったんです。「上野にはどうしてライオンがいないの?」というご不満の声もありますが、繁殖施設の充実や技術の向上を考えれば、ひとつの動物園で全てを行うのは無理。そこで、ライオンは多摩動物公園に、ゴリラは上野動物園へと移動しました。近年では、世界的にも国の枠を越えた協力が積極的になっています。 |
| 東京都では50種の動物がズーストック種に選ばれ、その内、16種が上野動物園にいます。ズーストック種以外の動物でも、日本初の繁殖成功例が昨年度だけでも上野で4件、多摩で4件出ていますし、ズーストック種でみれば、上野では現在までに16種のうち11種類で成功させています。けっこううまくいっていると思いますよ。 |
| 動物園はレクリエーションの場であり、環境教育、研究、動物の保護繁殖の場です。動物園のスタッフは知識も豊富でそれぞれよくがんばってくれていますが、動物園を通して環境教育のできる人材を組織的に育成する機関は今のところありません。大学でも「動物園学」というのはないですからね。それぞれの動物園で人材の育成もやっていかなくてはなりません。 |
お客さんが減っていることです。USJやディズニーランドなどのアミューズメントに人が流れてしまうのと、少子化の影響ですね。しかも、テレビの動物番組などで動物のおもしろい場面ばかりを見ていると、動物園で実際の動物を見ても、あまり動いてくれなかったりでつまらない‥‥。動物園でもいろいろ工夫はしていますが、あんまりやると“見せ物”になってしまいますしね。
次は、語学の壁です。これからは国内だけではなく、国際的な理解を得られなければ動物保護は成り立ちません。また、動物園の国際交流も年々盛んになっています。ですから、動物園の職員といえども、能力の一つとして語学が重要になってきているんです。もう“動物が好き”というだけではダメですね。飼育に関する職人的な技術力も必要ですが、国際化の流れの中では語学も必要です。これから動物園の人材をどのように確保し、どうやって育てていくかも課題のひとつです。 |
とにかく理屈抜きで楽しんで欲しいです。そして、動物を見ることで動物のすむ世界を見て欲しい。戦争で動物たちが犠牲になっていることも知って欲しいし、道でじゃんじゃん配られているティッシュペーパーは何でできているのか? それは木材であり、そのために森林が伐採され、そこに棲む動物たちが危機に瀕していることも考えて欲しいです。
その一方で、身近な自然にも目を向けてもらいたい。昔の子どもたちはトンボやカエルなど、学校へ行く途中でもたくさんの生き物に出会えました。夏になればホタルだっているのがあたりまえでしたが、今はなかなか見ることができませんよね。それはなぜなのか、自然と人間の調和とは何なのか、それを考える教材として欲しいですね。
最近は授業の一環として、ずいぶん遠くからも小学生がやって来たりします。でも、私たちの話だけを聞いて、動物を見ないで帰ってしまったりすることもあるんです。せっかく来たんですから、実際の動物たちを見て、その大きさや動作、鳴き声、臭いなどを実感していって欲しいですね。情報だけなら、それこそインターネットなどで得ることができますが、生身の動物の姿は動物園以外ではそうたやすく見ることができないですから。 |
菅谷園長さんはとってもジェントルマンで、しかも仕事に対してはキビシイ目も持っていらっしゃるのだなぁと感じました。動物たちの命を預かっているのですものね。でも、トントンやリンリンのお話をされている時の、なんともやさしいお父さんのような目はとても印象的。これからも動物園でたくさんの赤ちゃんが生まれるといいですね!
近頃では動物園に来て、「臭い」と苦情を申し立てる人もいるそうです。臭くない動物なんているんでしょうかね(笑)。そういえば、最近の納豆は臭くない! 私は臭い納豆が好きなのにぃ‥‥。野菜だってなんだか匂いがないし‥‥(涙)。納豆、くさや、チーズ‥‥臭いものほどおいしいのにねー(^o^)。ちょっと話が脱線してしまいましたが、夏休みはぜひ動物園へ行きましょう。そして動物の匂いも嗅いで下さい。テレビでは匂いは嗅げませんからね! あ~いい匂いだっ!! |
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