ペットが病気になった時、頼りになるのは獣医さんですね。しかし、病院によってはちゃんとした説明がされなかったり、やたらに高い治療費を請求されたり、まともな治療をしなかったり、様々なトラブルがあるのも現実です。病気になってからでは遅い! ペットが健康な状態の時から、主治医となってくれる良い獣医さんを探しておくことも、飼い主さんの重要な役目でしょう。いざという時にペットの命を救えるかどうかは、飼い主さんが良い獣医さんを知っているかどうかにかかっているとも言えます。
では、どうやって良い獣医さんを探せばよいのでしょうか? 評判の良い病院はいつも混んでいると言われます。では混んでいればいい病院なのでしょうか? それは一概には言えません。混んでいる原因が、確かに腕が良く、いい先生だからというのであれば良いのですが、単に値段が安いとか、有名な先生だからとか、たくさん宣伝しているからということであれば、疑ってみることも必要です。
よく言われるのは「口コミで探す」ということです。確かに実際に病院へかかられた人の話は役に立つことも多いでしょう。しかし、気を付けなくてはならないのは、ある人にとっては良い先生であっても、必ずしもそれが別の人にも適用できるかと言えば、そうではないということです。相性もありますし、人の話は参考にはなりますが、100%正しいとは言えません。話を聞くなら複数の人に聞き、実際に自分で確かめることが必要です。 |
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| 一番よい方法は、まず電話をしてみて、その対応の仕方を確かめ、ペットが健康なうちに検便などの簡単な検査を受けてみることでしょう。その時に何気なく質問をしてみて、それにちゃんと答えてくれるかも確かめます。「先生はペットを飼っているんですか?」などと、ちょっと世間話的に質問してみて、コミュニケーションがとれるかを確認することも大切なことです。 |
【病院は清潔が一番!】
人間でもそうですが、外見と中身は必ず一致するものではありません。外見がどんなに立派であっても、清潔かどうかは別のことです。使用済みの医療器具が放置してあったり、床が汚れていたり、悪臭がしたりでは、診察もちゃんと行われているのか不安だと言わざるを得ません。
【できてる? インフォームドコンセント】
インフォームドコンセントとは「十分に知らされた上での同意」という意味です。患者には「知る権利」があり、医師には患者に「説明する義務」があります。質問には答えなければならないのです。わからないことはどんどん質問しましょう。ペットは自分で症状を訴えたり質問したりできないのですから、飼い主さんはペットに代わって、ちゃんと知っておかなければなりません。そして、飼い主さんがペットの病気の状態や治療法を十分に理解した上で、治療の方法を選択するということです。しかも、家庭の中で実際にペットの治療を行うのは飼い主さんですから、何のためにどんな治療を行っているのかを把握しておく必要があります。質問に対して答えないような獣医さんはやめておきましょう。検査の結果を説明しない獣医さんもダメです。
《インフォームドコンセント5ヶ条》
- 治療方法の決定権は飼い主にあり、獣医師は治療の前に飼い主の同意を得なければならない。
- どんな治療方法を選択するか、または、治療を受けないか、決定するために必要な情報を、獣医師は飼い主に説明しなければならない。
- 説明は、飼い主が理解し、納得できるまで行わなければならない。
- 獣医師は「治療の目的と方法」及び「予期される効果と危険性」を飼い主に説明しなければならない。
- 飼い主は治療に同意しなくても不利益を受けないし、同意した場合でも随時撤回できる。
【ニコニコ明瞭会計】
獣医さんって、“サービス業”だって、知ってますか? 特別な勉強をして、試験を受け免許を取り、命に関わる医療行為をする‥‥しかし、法的には獣医師はサービス業なのです。ですから、例えば獣医師会などで料金に一定の基準を設けると「独占禁止法違反」となります。なので、動物の治療費は病院まかせであり、ピンからキリまでとなっているわけです。しかも、サービス業だとされながら、「獣医師および診療施設の業務に関することは、一定の事項を除いて広告してはならない」という制限があり、料金の公示も制限されているのです。(これは法的に矛盾していると思われますし、消費者である飼い主にとっても不利益なことと思われますが‥‥。)
料金に関しては、高ければいいものでも安ければいいものでもなく、飼い主さんが、少々高くても最新の機材と充分な設備を求めるのか、そこまでしなくてもいいから、料金の安さを求めるかで違ってくるでしょう。また、保険のきかない獣医療では、人間に比べて高額に感じられてしまうことも事実です。(最近ではペットの保険もいろいろできてきていますから、研究してみましょう。)最先端の医療は日々進歩しており、それを行うにはお金もかかります。高度な医療を求める声と治療費が高いという批判の狭間で、獣医さんも悩んでいることもあるのです。どちらにしても、治療の前に料金の概算を提示してくれるか、清算後には領収を出してくれるか、領収書に明細がきちんと表記されているかが問題。明細を求めても出さないような病院はヤバイかもしれません。
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【丑三つ時の緊急事態にどうしよう?】
緊急事態はいつ発生するかわかりません。夜中に緊急事態が起こった場合にどうするのかも重大な問題です。いつも診てもらっている病院が、夜は全く連絡がとれなかったり、急患を受け入れてもらえなかったりでは不安です。また、連れて行くことができない場合を考えて、往診をしてくれる獣医さんのほうが安心。
ただし、獣医さんも人間ですから、睡眠時間も必要ですし、休みにはどこかに出かけていることだってあります。どうしても事情があって診ることができない場合のことまでは責めることはできませんが、良心的な獣医さんなら、そんな時には別の病院を紹介してくれるでしょう。また、本当に緊急事態かどうかを見極めるために、飼い主さんもペットの病気について少しは知っておくことも大切なことです。 |
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【わからない、でも、放さないでは‥‥】
例えば非常に難しい症例だったりした場合、設備や経験によって治療がうまく出来ない場合だってあります。どういう病気かもわからないまま、とにかく自分の病院で治療を続けようとする獣医さんは、まず疑って下さい。良心的な獣医さんなら、そういう場合に自分が相談できる病院があり、必要に応じて紹介してくれるものです。また状況によっては飼い主さんから「可能ならばしかるべき病院をご紹介下さい」とお願いしてもよいでしょう。特に大学病院の場合は、獣医さんの紹介状が必要なことが多いようですから、失礼にならないよう、きちんとお願いして下さい。
【動物に触らない獣医さん?】
たしかに検査の機材は揃っているに越したことはないのですが、立派な機材があればいい治療ができるかといえば、そうではありません。要するに、機材を使う獣医さんの技術と経験と能力と愛。検査の数値ばかりに頼り、肝心の触診、聴診、視診ができない‥‥。動物に触ろうともしないで検査ばかりをしたがる獣医さんは‥‥怪しいです。機械が無ければ何もできないのかもしれません。
【すぐに入院させたがる獣医さんは要注意!】
動物は自分のテリトリーを守り、習慣を大切にし、飼い主であるあなたのことを頼りにしているのですから、入院というのはどうしても必要な時だけに限りたいものです。慣れない場所に押し込められたら、具合の悪いペットはますます具合の悪いことになりかねません。入院している間にどんなことをしていたのか、ペットは話すこともできません。何でもかんでもすぐに入院させたがる獣医さんは、お金が欲しいのだと思って下さい。
【ペットの飼い方のアドバイスはできる?】
よい獣医さんは、動物の病気のことだけではなく、動物の習性や行動学についてもよくご存じです。なので、ペットのしつけのことなどに関して質問してみましょう。そういう質問に対して答えられない獣医さんはダメ。不勉強な証拠です。ペットの問題行動などに対して適切なアドバイスをしてくれる獣医さんを選んで下さい。
【動物が好き? 人間が好き?】
獣医さんになる人は、大抵は動物が大好きでなるものです。しかし、中にはどうもそうとは思えない、動物よりお金が好きなんじゃないかと思える人もいます。やっぱり獣医さんは動物が好きな人でなければ困ります。そういう意味でも、獣医さんご自身がペットを飼っているかも、ひとつのヒントになることもあります。
また、獣医さんだからといって人間が嫌いではダメなのです。ペットの病気は、問題があるのはペットだけではなく、飼い主さんのほうに問題があることもしばしばあります。飼い主さんの話をじっくりと聞き、質問に答え、悩みを解決してくれるような獣医さんが望まれます。要するに、人間として信頼できるか‥‥ということですよね! |
よい治療を行うためには、獣医さんと飼い主さんの信頼関係が大切です。動物病院に関するトラブルでは、病院側に問題があることも多いのですが、飼い主側の無知や非常識のために起こっていることもあります。「獣医が悪い!」と一方的に主張ばかりするのではなく、飼い主さんも良い飼い主であるよう努力しましょう。
また、獣医さんと話し合った上で、治療の方針を決定するのは飼い主さんです。そして、決めたことはきちんと守って下さい。処方食以外は食べさせてはいけないと言われているのに、「ちょっとぐらい、いいだろう」とおやつを与えたり、薬をちゃんと飲ませなかったりでは、治療はうまくいきません。「話し合いながら、一緒にがんばっていく」という姿勢が大切です。
【必ず予約】
動物病院へ行く前には、必ず電話で予約を入れましょう。また、予約をしたら時間厳守! どうしても時間に遅れる時などは、必ず電話で連絡をして下さい。ま、これは世の中では常識。それに、出かけることがペットのストレスになることもあるのですから、もしも出かけたのにお休みだったり診療時間外だったりでは、ペットにも負担をかけてしまうことになります。
また、症状によっては便や吐いた物を持って行ったほうが良いこともありますから、あらかじめ症状を伝え、確認しておきましょう。
【治療をするのは飼い主さん】
ペットの治療は獣医さんと飼い主さんとペットの3人(?)でがんばらなくてはなりません。ペットと獣医さんだけががんばったのではダメなのです。獣医さんは病気の診断を下し、治療に必要なお薬を処方してくれますが、実際に家庭でペットの治療を行うのは飼い主さんです。どんな病気でどういう治療をしているのか飼い主さんが知っていなければ、治療されるペットは不安ですよね。また、ペットのかかりやすい病気を知っておくことで、病気の早期発見もしやすくなります。 |
【素人診断、素人治療は大怪我の元】
病気の知識を持っておくことは大切ですが、自分で勝手に診断し、治療するのはやめましょう。だいたいの見当をつけるのはよいのですが、「絶対この病気に違いない!」という思い込みは禁物。診断は獣医さんにおまかせしましょう。また、「目が充血しているから」と人間の目薬をさしたり、「風邪かしら?」などと人間の風邪薬を飲ませたりするのは、大変危険ですから絶対にやめて下さい。
また、病院で処方された薬や処方食を、勝手な判断でやめたりするのもいけません。必ず獣医さんに相談して下さい。せっかく治りかけていたものが、また悪くなってしまう可能性がありますし、薬も飲んだり飲まなかったりでは、効果があるのかないのかわからなくなってしまいます。 |
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【ペットのこと、知ってる?】
獣医さんがペットの病気の診断をする時に重要なのは、飼い主さんから得られる情報。「食欲はありますか?」「便は異常がないですか?」「尿の回数は? 量は? 色は?」「歩き方は普通ですか?」「痒がったりしていませんか?」など、ペット本人(?)に代わって飼い主さんが答えなければなりません。また、そのことが病気の診断の重要な要素になることだってあるんです。なので、日頃からペットをよく観察し、元気な状態を把握しておくことも大切。そして、病院では獣医さんに、どんな症状があるのかがよくわかるように、落ち着いて説明しましょう。
【病院だってことを忘れないで】
動物病院の待合室で、隣にいる猫ちゃんがどんなにかわいくっても、断りもなしに「あぁらぁ~、きゃわいいぃ~~~ん」などといきなり撫でたり触ったりしてはいけません。病院ですから、もしかすると伝染病の治療に来ているのかもしれませんし、神経質な猫ちゃんで、知らない人に触られることがものすごいストレスになるかもしれません。
【いざという時に役立つ日頃のケア】
病院は病気のペットたちが集まっている場所です。元気な時にワクチンの接種を済ませておきましょう。また、他のペットの迷惑にならないためにも、ノミの駆除もしておきましょう。治療をスムーズにするためにはしつけも大切。また、ペットが暴れないように保定する方法も知っておきましょう。
【おかしいと思ったらすぐ転院!】
よく聞かれる動物病院への不満に「病気について説明してくれない」「質問に答えてくれない」「検査の結果について説明がない」などがあります。また、「治療費の金額が高い」「明細がわからない」ということも。
何度も言うようですが、獣医さんには説明する義務があります。何でもわからないことは聞いてみて下さい。それは病気に関することだけではなく、治療費の金額についてもです。質問しているのに答えてくれないような獣医さんはダメ。答えても難しい専門用語で意味不明の答えではダメです。
最終的にペットの命を救うことができるのは飼い主さんの判断です。質問することは、決して恥ずかしいことではありません。また、「おかしい」と思ったら転院するのはあたりまえ。ペットのために勇気を持って決断して下さいね! 悪質獣医をはびこらせないためにも大切なことですから。
《動物病院選びの教訓8つ》
- どんなに大きな病院でも、ベテランの獣医師でも、問題があることもある。
- 人当たりのよさや口のうまさにだまされてはいけない。
- 口コミや宣伝をアタマから信用してしまわない。
- 説明しない獣医師は絶対ダメ。獣医師には質問をすること。答えない場合はすぐ転院。
- 担当医師をはっきりさせておく。
- 治療の方針は獣医師と飼い主の話し合いで決める。
- 治療の前に金額を確かめ、治療費の明細を必ず求める。
- 緊急事態に備える。
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【一番大切なのは飼い主さんの看病】
しかし、どんな名医さんでもできない治療があります。それは飼い主さんに代わって看病するということです。「先生に全ておまかせします。」というのは大きな間違い。獣医さんは診察や検査で病気を診断し、手術をしたり薬を処方することはできますが、飼い主さんにはなれません。ペットの病気を治すためには、飼い主さんが一生懸命看病するということが一番大切なのです。
ペットは飼い主さんの精神状態に敏感に反応します。イライラしたり嫌だなと思ったりすることは、ペットにも伝わります。苦しいこともありますが、常に平常心を心がけましょう。飼い主さんの優しい声と、見慣れた場所、匂い‥‥。ペットが一番好きな人は飼い主さんであり、飼い主さんの看病が、ペット自身の治癒能力を高めることになるのです。 |
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動物病院へ行く前にチェックしておくべきことと、動物病院へ行って検査を受ける時などに確認しておくべきことを簡単にまとめてみました。メモなどを用意して、必要なことはしっかり書き留めておきましょう。
【獣医さんの質問にちゃんと答えよう】
- ペットの病気(変化)にいつ気が付いたのか?
- 症状の進行状況は(だんだんひどくなっているか)?
- 皮膚に痒みはないか?
- 嘔吐、下痢、発作などの頻度は?
- 食欲や元気はあるか? 飲む水の量は? 運動量は? 排尿排便の様子に変化はないか?
- ワクチンの接種歴、フィラリアの予防歴は?
- 食事の内容、飼っている場所、飼い方は?
- 今までの病歴、受けた治療は?
- 他の病院に通院していた場合、そこでの治療、薬の種類は?
【検査を受ける前に聞いておこう】
- 血液検査、尿検査、超音波など、検査の内容は?
- その検査で何がわかるの? 何を調べるの?
- 麻酔をかけたり、ペットが苦しいことはないの?
- 費用の概算はどのくらい?
【検査を受けたら聞いておこう】
- 何か異常はあったの?
- それは何を意味しているの?
- どんな病気?
- どうしてそうなるの?
- 今、どんな状態なの?
- これからどうなるの?
【治療方針を話し合おう】
- 治療方法の選択肢は?
- 手術をするなら、どんな手術をするのか? 手術に伴う危険性は? その手術でどの程度の改善が望めるのか?
- 薬の投与方法、投与量は? どんな作用があり、副作用があるのか? 副作用が出た場合の対処法は?
- 費用の概算はどのくらい?
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たとえば、下痢で病院へ連れて行ったものの、原因がわからないまま治療を続け、いよいよ衰弱が激しくなってから他の病院へ行き、感染症とわかり、もっと早く抗生剤を投与していれば助かったかもしれないのに、結局ペットが死んでしまった‥‥。こんな時、最初に行った病院に、治療費と損害賠償の請求をしたくなりますよね。実際にはどうなんでしょうか?
【獣医師会の調停】
獣医さんの監督官庁は農林水産庁で、獣医さんの9割は「日本獣医師会」に所属しています。日本獣医師会の下部組織である地方獣医師会では、トラブルの調停も行っています。しかし、強制力のあるものではなく、飼い主と獣医師の話がこじれ、口をきくのも嫌だというような場合に間に入ってくれるという程度のものです。結局は自分で獣医さんと話し合うしかありません。 |
【法的に訴える】
法的には民法709条の「財産権の侵害」と、医療上のミスの責任を問う民法415条「債務不履行責任」というのがあります。709条では被害者が獣医師に過失があったことを立証しなくてはならず、非常に困難です。415条では獣医師側が死亡の原因が自分の責任ではないことを立証することになり、こちらのほうが被害者には有利でしょう。
しかし、実際に過失があったかどうかの証明は難しく、裁判に至るケースはごくまれで、対応が遅れているのも現実です。たとえ飼い主側の主張が認められた場合でも賠償金額は低く、弁護士への支払いのほうが高くつきます。精神的慰謝料が認められたとしてもスズメの涙程度です。 |
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【トラブルを避けるために】
獣医師の過失の証明は難しく、賠償金額は低い‥‥。このことからも獣医さんが信頼のできる人物かどうかじっくりと見極め、動物病院を選ぶということがいかに重要であるかがわかると思います。ミスが起きてしまってからでは取り返しがつきません。手を尽くしても助からないことはありますが、「先生は一生懸命やってくれた」と納得できる獣医さんを選んで下さい。 |
日本における獣医さんの誕生は、1885年(明治18年)、『獣医免許規則』が制定されたことに始まります。日本の獣医さんの第1号は、牛のお医者さん。この頃の獣医さんは牛や馬などの伝染病の予防と診療が主な仕事でした。
1926年(大正15年)に『獣医免許規則』が『獣医師法』に改定され、この時から獣医師以外の人が家畜の疾病に対して診察や治療をすることが禁止されました。また、家畜は牛、馬、羊、ヤギ、犬、猫と定められましたが、この頃の獣医さんの仕事はもっぱら戦争用の軍馬の増産でした。
戦後、1949年(昭和24年)に新しい『獣医師法』が公布され、食生活の欧米化に伴い、獣医さんのお仕事も軍馬から牛や豚などの繁殖と衛生管理に移行します。この頃から「ペットを飼う」というライフスタイルも日本に根付いてきます。
犬猫の獣医さんというお仕事が成立し始めるのは昭和30年代になってから。しかし、当時は大学教育においても公衆衛生や産業動物が中心であり、犬や猫などの小動物の専門的な教育はありませんでした。もちろん犬猫に関する参考書も日本にはありませんでしたから、治療は英語の参考書を見ながら試行錯誤という状態でした。
現在では大学でも小動物に関するカリキュラムは徐々に増えてはいますが、公衆衛生や産業動物が中心ということに変わりありません。獣医師の資格を持っている人は全国で約3万人いますが、犬や猫などを専門に診る動物病院で仕事をしているのは、そのうちの2割の約6000人です。最近ではバイオの分野にも獣医さんが進出しているそうです。 |
| 獣医師の監督官庁は農林水産省。ここが認可している社団法人日本獣医師会には約9割の獣医師が所属し、下部組織に地方獣医師会かあります。『獣医師法』と『獣医療法』の規定では、獣医さんは“医療行為をする人”なのですが、税法では獣医師はサービス業です。これは日本の法律では、動物は“物”として扱われるために起こっている矛盾。(“物”に“医療行為をする”とは!?)獣医さんにとっても、我々飼い主にとっても、困った問題なのです。 |
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